Google Nest Doorbell 「Battery Type」「電源直結型 / 第2世代」レビュー
Google Nest Doorbell 新旧2機種のレビュー。Starling Home Hub を経由した Apple Home アプリとの連携や HomeKit Secure Video についてもご紹介しています。
こんにちは、ガジェットホームです。2022年に自宅を新築した際、本当は Apple HomeKit や HomeKIt Secure Video に対応したドアベルを設置したかったのですが、当時はあまり選択肢が多くなく、国内で販売されているものはありませんでした。そのため、日本でも販売されている Google のドアベルを購入し、Starling Home Hub というサードパーティ製のハブを経由して Apple ホームから使用しています。
Google Nest Doorbell (Battery Type)

はじめに使用したのは、日本でも販売されている「Google Nest Doorbell (Battery Type)」です。といっても、本来は4色のバリエーションがあるのにも関わらず国内では白のみの取り扱いだったので、海外のECサイトで Ash カラーを購入。送料や税金などを含めて、当時のレートで25,000円ほどでした。

この製品、バッテリータイプの名のとおり充電が必要で、本体を壁から取り外してUSBケーブルを接続して充電します。ですが、北米で一般的なドアホンの配線に接続すると常時給電しながらの使用が可能で、既存のアナログのチャイムと連動させることも可能です(これにより、オフライン時でも来客に気がつくことができる)。こういったメリットがあるので、自宅新築時には北米方式の配線や電源に対応できるよう考慮し、有線で使用していました。
ところが、有線で電源を取ってもドアベル自体に直接給電するのではなく、あくまでバッテリー充電のための給電であるらしく、気温が低いと充電ができずにバッテリーが切れるため結局室内での充電を強いられることに。
Google Nest Doorbell(Battery Type)を既存のドアホンの配線に接続している場合、配線からドアホンに電力が直接供給されるのではなく、バッテリーが配線からの電力で少しずつ充電され、ドアホンはバッテリーの充電を利用します。-20°C~0°C の範囲内の気温では、ドアホンは動作し続けますが、バッテリーは充電できないため消耗します。バッテリーの残量がまったくなくなると、ドアホンは停止するため、屋内に持ち込んで充電する必要があります。
購入前に、-20℃までは動作するという公式の仕様を確認してはいましたが、上記の点は見落としていました。また、気温の低い冬でなくても、ドアベルの設定やモーション検知の頻度などによってはバッテリー残量が減っていくこともあり、電源直結型に買い替えることにしました。
Google Nest Doorbell(電源直結型 / 第2世代)
まず、このモデルは日本では販売されていません。前述した北米のドアホンシステムで一般的な電源(AC 16V、10VA)を必要とします。日本では室内側の親機に AC 100V の電源を接続、そこから玄関側の子機に DC 5V 程度を供給するのが一般的で、規格が合いません。
そのため、バッテリータイプと同じ海外のサイトで購入しました。本体の価格はバッテリー型から据え置きです。カラーは同じく Ash を選択しました。

バッテリータイプと比較すると基本的なデザインは同じで、縦にコンパクトな形状になっています。実際に設置してしまえばほとんど気づかれないかもしれませんが、並べてみると新型の方がバランスの良い見た目で好みです。

実際に使用してきた所感として、なんといっても真冬を含めバッテリー切れを気にする必要がないことが非常に大きいです。設定で録画時間や画質を犠牲にしてバッテリー持ちを優先させる必要もありません。また、ボタンが押されてから通知が来るまでバッテリータイプでは4〜5秒かかっていたのが、およそ半分くらいに改善されています。
Starling Home Hub を使えば HomeKit Secure Video 対応に

Starling Home Hub というサードパーティ製のハブデバイスがあり、これを Nest Doorbell および HomeKit のハブとなるデバイスと同一のネットワーク内に設置することで、Apple ホームからドアベルの映像の視聴と会話ができるようになります。さらに電源直結型の第2世代では HomeKit Secure Video が利用可能で、モーション検出時とドアベルボタンが押された時のイベント録画履歴を最長10日分見ることができます(要 Google Home Premium サブスクリプション)。
また、2024年6月のファームウェアアップデートでローカルネットワークストリーミングに対応。Google のサーバーを経由せず、ドアベルのライブ映像をローカルで視聴できるようになり、遅延が大幅に改善されました。
しかし、2025年9月ころに Starling Home Hub が関税の影響で販売終了し、新たに購入することができなくなっています。Apple ユーザーにとって Nest Doorbell の使い勝手を大幅に高めてくれるデバイスなだけに非常に残念です。

Google Nest Doorbell の気に入っているところ
まずはデザインです。他のメーカーのものを見ても、これほどシンプルでスタイリッシュなドアベルはないと思います。初見でドアベルだとわからないという人もいたくらいです(それはそれで問題だけど)。
次に、モーション検知機能です。荷物の配達に来てくれたときなど、ドアベルのボタンが押されるよりも先に画像付きの通知が iPhone や Apple Watch に来ます。あらかじめ予定されていた配達や来客であれば通知の画像で判断ができるので、ドアホンで会話することなく玄関まで移動して応対しています。従来のドアホンのように据え置きの親機のところまで見に行かなくて良いのでスムーズです。また、自宅前で不審な動きがあった場合にリアルタイムで気がつかなくても、録画機能があるので後から把握できます。無料だと3時間分しか録画が残されないので、有料のサブスクリプションに加入しています。
何気なく外の様子を見たいときなど、家の内外問わずどこにいても iPhone から確認できるのも便利。まあ、これに関しては他社製でも同じですが。
Google Nest Doorbell の気になるところ
通常、ドアベルのカメラの映像は Google のサーバーを経由するため、ドアベル越しに会話する際の遅延が気になります。マイクボタンをタップして応答した宅内側の声がドアベルに届くまでに約1秒、それに応答した来客者の声が宅内に届くまでに約1秒。来客者の用件が長くなったりすると非常に会話がしにくいです。ただしこれは Starling Home Hub のローカルネットワークストリーミング機能を使用することで大きく改善します。
また、ドアベルのボタンが押されたあと、通知をタップし、映像が映るのを待ち、通話ボタンをタップするという一連の操作がやや煩雑に感じます。Google Nest Hub ではドアベルのボタンが押されると自動的に映像が映るためこれらのステップは簡略化されますが、ローカルではなくクラウド経由でのストリーミングとなるため遅延が生じます。
最後に、サブスクリプションについて。有料の Google Home Premium(旧 Google Nest Aware)を契約しなければ過去3時間分しか動画履歴が残らず、Starling Home Hub を経由した HomeKit Secure Video の録画も有効になりません。そのため月額1,000円の Standard プランを契約しています。以前は630円で利用できていたのが、数回の値上げでこの価格になってしまいました。Apple の HomeKit Secure Video 対応デバイスでは iCloud のストレージ契約があれば追加料金なしで利用できるため、相対的にコストが高く感じてしまいます。
まとめ
いくつかマイナスの材料はあるものの、従来のドアベルと比較して利便性は非常に高いですし、総じて気に入っています。ただし、サブスク料金の値上げや Starling Home Hub を購入することができなくなってしまった今日、Apple ユーザーは別のHomeKit Secure Video 対応ドアベルを検討するのが良いかもしれません。



